既存設備のIOT化
お客様が新規に購入した設備の見える化(IOT化)をしたいとご依頼頂きました。設備に搭載されているシグナルタワーの状態、モーターの負荷状態、稼働回数、サイクル時間を事務所で監視できるように致しました。機械の実際の映像も見えるようにすることで作業員の安全、見学に来られたお客様の安全も確保しました。
実際に施工を行った内容は以下になります。
- 既存設備へのIOT化装置取付
- IOT化装置ソフトカスタマイズ
- 本社家屋までのネットワーク配線
- 監視カメラ(ネットワークタイプ)据え付け
- NVR設置
今回のお客様は愛知県瀬戸市暁町の誠美社工業株式会社様になります。トラックの横が本社家屋になります。ターゲットとなる設備は奥に見える工場の一番奥の部屋に設置されていました。
こちらが誠美社工業様が新たに導入された設備になります。高さ約7メートル、幅約10メートルの大型の設備です。
IOT化を行うには社内ネットワークやインターネットに接続する必要があります。お客様の工場内にネットワークの配線がされておりませんでしたので今回、ネットワーク配線工事も併せて行いました。距離が長いので途中でHUBで中継。建屋間は無線での大掛かりな工事となります。HUBはPOE対応型とし、ネットワークカメラの電源を兼ねる事でカメラへの配線の簡素化も実現しました。
これが今回使用するIOTユニットになります。竹中電機様が開発されました「CIU Canaria Iot Unit」を利用します。
本ユニットはの特徴は
- 電源 DC10~30V(定格7W 最大30W)
- 入力 アナログ4点/デジタル8点
- 出力 リレー4点
- LANポート/USB4ポート/RS485
と、なっており、日本の多くの産業用機器に直接配線可能です。DC24Vの給電対応、入出力も標準搭載、内部プログラムカスタマイズ可能な機器はなかなかありません。弊社はCIUユニットの製品化に際し竹中電機様へ技術協力させて頂いておりますのでユニットの扱いは慣れたものです。内部プログラムを誠美社工業様の機械仕様に合わせて作成しました。
制御盤壁面にIOT化装置取付。取り付け場所の都合上、横向きに取付。端子台を近くに設置し制御盤内のインバーター、PLC、シグナルタワーと接続します。インバーターのモニタ出力電流を同時に4チャンネル直接入力しています。PLCとはLANで接続します。シグナルタワーの状態表示用信号はあえてPLCからの出力を分岐しDI入力としました。本来シグナルタワーの制御はPLCで行っておりますのでPLC内のレジスタを直接読むことでも状態は取得可能です。しかしPLC⇔IOT化装置は前述のとおりLANで接続されていますので通信トラブルが発生した時に状態の取得が出来なくなります。機械の状態を見えるようにする大事な表示ですので、直接信号を入力しました。
全ての配線が完了したらIOT装置の動作確認に入ります。PLCとの通信確認、インターネットへの接続確認、アナログ信号の入力確認、IO入力確認を行います。
全ての確認が終わったら試運転に入ります。
お客様が用意されたモニタを横に仮置きしてあります。予め社内でPLCとの通信テストを行い、対象のレジスタの変化で表示が変わる事を確認しておりますので、現地での確認は滞りなく終わりました。
構内3カ所に設置した監視カメラの映像を本社で確認できるようにしました。録画機能も備えているので問題発生時に遡って確認ができます。こちらもIOT対応です。インターネットを介してスマホ等で現在の状況の確認、録画映像の確認が出来ます。これで責任者の方が外出中でも安心ですね。
今回の工事で下の2つを追加し、4つのモニタが並んで壮観になりました。
左下がIOT化装置が出力している設備状態、右下が監視カメラ映像になります。
これで誠美社工業様の設備IOT化の工事完了です。
IOT対応の機械を検討しているが購入を躊躇している企業様、既存設備もIOT化可能です。弊社では設備の現状分析、提案、据え付け(ネットワーク工事、ユニット据え付け、御社の機械に合わせてのカスタマイズ)を全て対応可能です。
無い物は作る。こうなったらいいな、こういうのあったらいいなを全て形にいたします。